【 海の家「たまご」は今年も大忙し 】
 

「ハイ！クレアっち焼きそばおまちどー！」
海の家「たまご」は毎年夏になると大賑わい。
今年も 朝霞りお が元気に料理の腕を振るう。
一方クレア・フロストはひとりカウンターに陣取り
りおの料理を黙々と口に運んでいた。
「あら、クレアじゃない。一人でランチかしら？…ってこれ全部アナタの？！」
不意に現れた 白凪みくも に大量の注文を見られてしまい
クレアは恥かしそうにうなずいた。
「（見かけによらずよく食べる子ね…でも美味しそう…）」
みくもの食欲を察したクレアは
今出来たばかりの焼きそば（大盛り）をそっと差し出してきた。
「ははーん、これは口止め料かしら？
そんな事しなくても誰にも言わないから安心して♪
…でもまぁお腹空いてきたし、ありがたく頂くわね！」
みくもがご機嫌で焼きそばを頬張っていると
羽澄れいとハク・リンファがやってきた。
「あれー？みくもさんもうご飯食べてるー！また横に育っちゃいますよ〜笑」
「ん？ま、まぁね〜でもちゃん泳いでカロリー消費してるから大丈夫よ。」
れいの冗談をあしらったが
リンファは少し神妙な顔をしてみくもを見ていた。
「差し出がましいかもしれませんが先輩。あまり暴食しては体を壊しますよ。」
「え〜だからちゃんと海で泳いで……げっ！」
気づくとさっきまで隣にいたクレアの姿は消え
みくもの周りには大量の皿だけが残されているのであった。
 
「ハイ！焼きそばおまちー！！」
 
海の家 たまご からは今日も焼きそばのいい香りと
りおの元気な声が聞こえてくる。

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