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ランボルギーニ・ミウラは1966年3月のジュネーブショーで正式発表されました。
車名はスペインでもっとも勇敢な闘牛の名を冠して"ミウラ"と名付けられ、
全高わずか1,080mm、前後のカウルがレーシングカーの様に開閉し、
ヘッドランプはポップアップ式で睫毛のようね飾りがミウラのアイデンティティとなりました。
ミウラの開発は非常に難航し、横置きミッドシップエンジンは信頼性不足で、
後輪への荷重が高くシャーシー剛性が不足し、ハンドリング上の欠点も明らかでした。
ギアボックスのトラブルや車内の振動・騒音など、問題山積。
しかし正式発表以降、ミウラの評判は急上昇でした。
P400:こうしてプロトタイプ同然のまま量産プログラムを移されたP400は、
1968年初め不足していたシャーシ剛性を強化、ハンドリングの向上により、
振動・騒音の低減にも寄与しました。
同年5月から70扁平タイヤが装着されるのと同時にサスペンションのアライメントを変更、
フロントシャシーの一部も設計変更されています。
P400S:P400の発展型として主な変更点はエンジンの最高出力を20PS、
最大トルクを2kg-m増加させ、発生回転数は400r.p.mも高く、
P400で不評だった内装も大幅に手が加えられました。
1970年4月からは前後にベンチレーテッド・ディスクブレーキが標準採用されています。
J:1970年春、1台のスペシャル・カーが製作されました。
基本デザインは生産型ミウラと同じものの内容は完全なレーシング・マシーンでした。
ホディは すべてアルミ製、車重はわずか880kg、
FIAのスポーツ法典J項プロトタイプ・クラスの車輛規則に準じて作られたため"J"とし、
のちにイオタと呼ばれました。
しかしこの1台のイオタはレーシング・スペックのまま顧客に渡り
1972年8月2日全損事故を起こしスクラップになってしまいました。
P400SV:全損事故を起こした"J"以外にもオーナーの希望により
イオタで試みられたテクノロジーを受け継いだP400SVが1971年5月に生産されました。
エンジンは再びパワーアップを受け初期のP400に比べると35PS、3kg-mの向上を果たしています。
ランボルギーニ・ミウラはP400、P400S、P400SVと進化を続け、
レーシング仕様のイオタを生みだし、
その低く精悍なスタイリングは未だ人気の衰えないスーパーカーです。
<データ>P400SV
全長:4,390mm
全幅:1,780mm
ホイールベース:2,504mm、
トレッド(F/R):1,412/1,540mm
エンジン形式:水冷60度V型12気筒4バルブDOHC、
ボア×ストローク:Φ82.0×62.0mm
総排気量:3,929cc
圧縮比:10.7:1
最高出力:385PS/7,850rpm
車両重量:1,305kg