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F-4EJ改はF-4EJファントムIIから発展した航空自衛隊の戦闘機です。
昭和43年にF-86Fの後継機として採用が決定し、
昭和44年度から配備が始まったF-4EJも導入後20年以上が経過したため、
機体の延命と能力の向上を計るため、昭和55年から研究開発を行ってきました。
この結果昭和57年2月にF-4EJ改としての改修計画を公表しました。
この改修は主に戦闘能力の向上、機体寿命の延命対策であるASIP検査方式の採用などです。
戦闘能力の向上については、まず火器管制レーダーを
F-16に使用しているウェスチングハウスAN/APG-66をF-4EJ向けに改造した
AN/APG-66Jを搭載しました。このレーダーはミグ25の函館強行着陸の反省点から
採用に踏み切ったレーダーで、小型のパルス・ドップラー・レーダーで
海上を低高度で飛行している航空機を上空から索敵するのに向いています。
これにともない、搭載機上コンピュータをそれまでのアナログ式から
デジタル式のコンピュータに変更しました。
これにより兵装システムの統合化が可能となり
国産のASM-1対艦ミサイルの運用も可能となりました。
航法装置もアナログからデジタルに変更されています。
慣性航法装置がデジタル化されたことにより航法精度が格段に向上し、
目標地点を3箇所までマークできるターゲット・マーク機能も持っています。
この他自機の防衛手段として、レーダ-警戒装置を能力向上型に改修し、
コクピットのCRT画面に詳しいデータが表示されます。
また、パイロットの操作手順を簡素化するための処置として
操縦桿とスロットルレバーに手を置いたままで各種操作ができる
HOTAS概念も採用されています。これらの改修にともない、
情報処理されたデータを新たにヘッド・アップ・ディスプレイを採用し、
パイロットが正面を向いたままデータの判読ができるようになっています。
F-4EJ改は機体の延命策としてASIP機体管理方式を採用しました。
これは機体個々の飛行実績データをコンピュータにより管理、
各機体の疲労度を個別に管理できるシステムです。
このASIP方式により1機あたり約2,000時間の延命が可能になります。
要撃戦闘が主な任務のF-4EJ改ですが
対地攻撃もF-4EJに比べると格段の向上をしているため、
今後支援戦闘機のF-1が退役するため、
F-4EJ改の1個飛行隊が支援戦闘任務につく予定です。
(キット発売当時の情報です)
《データ》
乗員:2名
全幅:11.77m
全長:19.2m
全高:5.02m
最大離陸重量:28,030kg
エンジン:ジェネラル・エレクトリック,石川島播磨重工 J79-GE/IHI-17×2
推力:5,380kg(A/B使用時8,120kg)
最大速度:マッハ2.2/11,000m
固定武装:M61A1 20mmバルカン砲
初飛行:1984.7.17(F-4EJ改 試改修機)