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三菱F-1は、航空自衛隊の支援戦闘機です。
当時航空自衛隊はF-104Jの配備、F-4EJの導入決定などそれまでのF-86Fに比べ
格段の飛行性能を持った航空機が主流になりつつありました。
これに伴い、それらに搭乗するパイロットの教育が問題になりました。
このため航空自衛隊は、新たな超音速ジェット練習機の導入をすることになりました。
当初は 当時アメリカ空軍が使用していたT-38か新たに国内開発をするか検討されましたが、
国内開発に決定。防衛庁技術研究本部は国内航空機メーカーに仕様を提出し
1967年9月に三菱重工を主契約者とし、他社も生産に協力する形でX-T計画がスタートしました。
X-T計画は、復座の双発練習機計画ですが大きな特徴として
同時に支援戦闘機(FS-X)に発展できるということが最初から求められていました。
1968年3月XT-2計画は試作に関する第1次計画が結ばれ、1969年4月モックアップが完成。
その後、試作1号機は、1971年4月23日にロールアウト、同年7月20日初飛行を行いました。
T-2の機体概要は、復座、双発でエンジンはイギリスのロールスロイス社製
チュルボメカ・アドーアMk801Aアフターバーナー付きで最大推力は3,310kg。
主翼は高翼式で9度の下反角を持ったクリップドデルタ翼で、
最大の特徴は横方向コントロールをエルロンをやめ、スポイラーに変更した点です。
これは、主翼フラップの面積が大きく取れることを考慮したものです。
超音速機の難関の一つである空気取り入れ口は
周囲に6箇所の補助空気取り入れ口を設けた固定ランプ式です。
固定武装はM61A-1バルカン砲を搭載します。
また、搭載レーダーは三菱電機が開発した国産のJ/AWG-11レーダーFCSを搭載していますが、
これらは戦闘機操縦基礎課程で使用されるT-2前期型には搭載されていません。
FSX(後の F-1)は、T-2を単座にして後席部分に電子機器を搭載した支援戦闘機です。
F-1の原型T-2特別仕様機は、T-2の106、107号機があてられ1975年6月から試験が開始されました。
F-1としての1号機は1977年2月15日にロールアウト、同年6月16日に初飛行しました。
T-2からF-1への変更点は、復座から単座になり後席スペースは、T-2より強化された航法システムや
攻撃システムなどの電子機器を搭載しています。
T-2でも搭載されていたレーダーは同じですが、慣性航法装置や兵装投下管制コンピュータ、
電波高度計、エアデータ・コンピュータとリンクされた、J/AWG-12レーダーFCSになっています。
特に慣性航法装置は海上の攻撃対象に航法援助を受けずに接近でる支援戦闘機には重要な装置です。
他にレーダー警戒装置装備のため垂直尾翼先端のフェアリング形状の変更なども行っています。
F-1は、対地攻撃、対艦攻撃を主任務としますが、
対艦攻撃用に開発されたASM-1ミサイルを両翼下に搭載することが可能。
また副次的に空対空の防空にも使用されるため空対空ミサイルの搭載も可能です。
F-1の配備基地は、三沢基地と築城基地の2基地で運用されました。
〈F-1 データ〉
乗員:1名
全幅:7.88m(翼端ランチャー含まず)
全長:17.85m(ピトー管含む)
全高:4.45m
発動機:石川島播磨TF40-IHI-801A
(ロールス・ロイス/チュルボメカRB162/T260 アドーア Mk801Aのライセンス生産)
発動機基数:2基
発動機出力(1基):ミリタリー 2,320kg/AB使用最大 3,310kg
最大速度:マッハ1.6/11,000m
海面上昇率:11.160m/分
固定武装:20mm M61A-1機関砲 x1
F-1量産1号機(201号機)
初飛行:1977年6月16日