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F-86セイバーは、P-51Dムスタングの
後継機として開発されたジェット戦闘機で、
試作機XP-86が1947年10月1日に初飛行を果たしました。
F-86Eは、最初の量産型F-86Aの改良型で
J-47-GE-13エンジンを搭載し、操縦装置の改善や、
水平尾翼の可動化などがなされていましたが
朝鮮戦争におけるミグ15との空中戦の教訓から、
さらなる改修が加えられることになりました。
これが1952年3月に初飛行したF-86Fで、
動力はJ-47-GE-27、推力2,760kg、
武装は12.7mm機関銃6挺のほか、
主翼の下に各種のミサイルや爆弾をとりつけるようになり、
しかも防弾を強化、また生産の途中から主翼の前縁スラットを廃止して
翼弦をわずか延長し境界層板をとりつけて、
翼端失速を防ぐようにしました。
これがF-86F-25および-35です。
この結果、F-86Fはミグ15よりもすぐれた格闘性能をもつようになり、
朝鮮動乱の後期に大戦果をあげることができましたが
その後、この翼弦延長型(一般に6-3前縁翼といいます。)に
前縁スラットを併用した方が、あらゆる速度での
運動性がすぐれていることがわかり、
ふたたび前縁スラットをとりつけました。
これはF-86F-40としてしられています。
航空自衛隊が1956年(昭和31年)から採用したのは、
このF-86F-40が主力で、三菱重工が国産化したのも、
この前縁スラットつきの後期型でした、
しかしその前からアメリカ空軍より供与を受けていた少数機は、
旧式の境界層板つきで、RF-86Fのように日本側で
前縁スラット型に改造したものがありました。
航空自衛隊のF-86Fはアメリカ軍供与、
ノックダウン生産および三菱でライセンス生産したもの
を合わせて330機以上でした。
《データ》(三菱F-86F)
乗員:1名
全幅:11.32m
全長:11.45m
全高:4.5m
全備重量:9,219kg
エンジン:J-47-GE-27ターボジェット (出力2,681馬力)
最大速度:1,118km/h
武装:12.7mm機関銃×6,サイドワインダー空対空ミサイル×2,
または0.5インチ空対空ロケット弾×6,または各種爆弾×2